脱炭素列島キャンペーン
地球温暖化については、世界共通の環境問題として各国が温暖化防止の取り組みを行っていますが、そのなかの一つとして「脱炭素社会の実現」の動きが広がっています。地球温暖化につながる温室効果ガスの削減につながるものであり、日本においても「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする(※)」ことを宣言しています。それが脱炭素社会です。 ※「排出を全体としてゼロ」とは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出量から、森林などによる吸収量を差し引いた、実質ゼロを意味しています。(環境省・脱炭素ポータルより抜粋) 気候危機は、どこか遠い話でもなく、一部の人が取り組めばよい問題ではありません。猛暑や、豪雨などの災害、農作物や漁獲量への影響などわたしたち人間、誰しもが少なからず影響する問題です。100か国以上で活動している地球環境保全団体である「世界自然保護基金(WWF)ジャパン」は、日本各地での脱炭素に向けた取り組みに注目し、みんなでアクションすることを目的として「脱炭素列島キャンペーン」を実施しています。ボーイスカウト日本連盟はこのプロジェクトの趣旨に賛同し、全国のボーイスカウトと共に気候変動や脱炭素について理解を深めて、自分にできることから始めることを目指します。脱炭素社会の実現に向けて
地球温暖化の原因となる温室効果ガスを減らすためには、石油や石炭などの化石燃料の利用を減らし、太陽光やバイオマスなど再生可能エネルギーの利用を進める必要があります。 現在、日本では年間で12億トンを超える温室効果ガスを排出しており、2050年までに、これを実質ゼロにする必要があります。衣食住や移動といった、私たちのライフスタイルに起因する温室効果ガスの排出量は、日本全体の排出量の6割以上を占めるという分析があり、一人ひとりの行動がカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現に影響しています。経済社会の変革だけでなく、私たち一人ひとりが意識を変えて、地域そして日本全体で取り組んでいくことが重要です。SDGsとのかかわり
この取り組みはSDGsの「13.気候変動に具体的な対策を」につながることはもちろん、気候変動への対策は陸や海の生態系を守ることにもつながりますので、実は「14.海の豊かさを守ろう」「15.陸の豊かさも守ろう」とも関係性が高いものです。一つひとつのゴールがそれぞれに関係し合うので、いろいろな切り口で意識して考えることができます。キャンペーンサイトから自分の住む地域の状況を知り、脱炭素社会の実現に向けてこの取り組みを応援してください。
※各都道府県のレベル分けは、WWFの気候変動・エネルギーグループの評価によるものであり、2021年4月23日時点の各自治体の2013年度比での2030年度の温室効果ガス排出量削減目標、2050年ゼロカーボン宣言に基づいています。脱炭素社会を体験しよう
まずは脱炭素社会実現に向けて、自分たちができることから行動してみましょう。世界共通の環境教育プログラム「Earth Tribe(アース・トライブ)」は、それぞれの問題や取り組みについて、スカウトが「知る」ことから始まり、周りの人と「協力」して自分たちにできることを「実行」するまでをひとつの挑戦として3つのステップを設けています。環境について「知る」
① 脱炭素社会キャンペーンサイトで自分の気になる地域を調べてみる。 ② 国内の取り組みや目標について、分かりやすい資料を探してみる。 参考に、環境省などの資料をご紹介します。 ・『おしえて!地球温暖化』(*1) ・『子ども環境白書2019』(*2) ・WWFの活動「地球温暖化を防ぐ」(*3)自分たちで「実行する」
① 普段の生活で脱炭素社会につながる行動に取り組む。 ② 脱炭素社会の実現につながる行動に取り組んでみる。 ③ WWFジャパンが取り組むその他の環境イニシアチブに取り組む。 世界中で環境を考える1時間「EARTH HOUR」 WWFジャパンが呼びかける「ワンヘルス共同宣言」に賛同 https://www.scout.or.jp/member/onehealth/ ※ 日本連盟では、これまでもWWFジャパンの取り組みに賛同し、スカウトたちへの啓発に取り組んでいます。自分たちにできることからはじめよう
快適に過ごしたり、移動したり、食事をしたりと普段の生活において、以下の例を参考に実践できることを探してみましょう。- 冷暖房をつける部屋を少なくしたり、適正な温度に設定する。
- 車の利用をできるだけ少なくし、徒歩や自転車、公共交通機関を利用する。
- 車を利用する場合、エコドライブを実践(急停車・急発進をしないなど)する。
- 好き嫌いや食べ忘れなどに注意し、家庭で発生する食品ロスを減らす。
- 飲食店で食事をする際は、食べられる分だけ注文し、食べ残さない。
- 買い物ではエコバッグを持参して、レジ袋をもらわない。
- この他、自分でできる取り組みを探してみましょう。
関連情報
参考Webページ | *1 環境省・気候変動の科学的知見…『おしえて!地球温暖化』掲載ページ https://www.env.go.jp/earth/ondanka/knowledge.html |
---|---|
*2 環境省・子ども環境白書…『子ども環境白書2019』掲載ページ https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/kodomo/h30/index.html | |
*3 環境・脱炭素ポータル https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/ | |
*4 WWFジャパン…WWFの活動「地球温暖化を防ぐ」 https://www.wwf.or.jp/activities/climate/ |