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【退任のご挨拶 増田 秀夫】

「スカウトの笑顔のために」  日本のスカウト運動にセーフ・フロム・ハームを導入するため、平成25年7月「セーフ・フロム・ハーム研究タスクチーム」が結成され、当時日本連盟副コミッショナーだった私がチーム主任となり、3人の有識メンバーと膳師前日本連盟コミッショナー、木村事務局長のご支援により研究が始められ、4年後に現在の「セーフ・フロム・ハーム」・安全委員会となりました。  安全は全てに優先する。冒険的な良いプログラムでも事故が起きてしまえば楽しくなくなります。そして、「事故を事件にしない」を合言葉に進めた安全普及フォーラムを全国展開させていただきました。また、セーフ・フロム・ハームの導入は、Safe from Harmの日本語化をどうするかから始まり、日本の社会環境や習慣に合うように日本連盟としての独自の取り組み内容が検討されました。Safe from Harmは、再三の検討の結果、そのまま「セーフ・フロム・ハーム」と表現し、副題に「思いやりの心を育む教育」としました。指導者には明確なルールを示し、スカウトには「思いやりの心」を学び身に付ける内容を定め、タスクチームから常設委員会へ移行いたしました。  委員会業務はまさに五里霧中で、世界スカウト機構発行の「セーフ・フロム・ハーム世界方針」を深く理解し、全ての指導者に登録前研修(eラーニング)の受講、セーフ・フロム・ハーム相談窓口の規程化と設置、セーフ・フロム・ハームセミナーの実施、セーフ・フロム・ハーム県連盟対応ガイドライン策定、セーフ・フロム・ハーム対応規程の制定、性同一性障害(LGBT)者に関する人権対応の研究、スカウト向け教材としてビーバースカウト・カブスカウト向けの「思いやりの心ってなあに」(紙芝居)を制作することができました。実は、ボーイスカウト・ベンチャースカウト向けにも「多面体サイコロで遊ぼう」というプログラムを用意しており、これは現状を鑑み、今後配布される予定です。これらは、多彩な委員と事務局職員の創意工夫で進めることが出来ましたことに深く感謝を申し上げます。  私たち指導者は、この時代にお子様をスカウト運動に参加させていただいている保護者の皆さまに対して、大きな責務をもって活動に取り組まなければなりません。いまだからこそあらためて、スカウト達が強く、そして「思いやりの心を持ったやさしい子」に育つよう、心を注いでいきましょう。セーフ・フロム・ハームの考えがその一助なれば幸いです。  安全で安心で、スカウトの笑顔があふれる活動が全国で推進されることを願っています。

【就任のご挨拶 水戸守 雅之】

 この度、「セーフ・フロム・ハーム」・安全委員会の委員長を拝命致しました大阪連盟の水戸守雅之(みともり・まさゆき)と言います。  前任の増田委員長のご指導の下、副委員長の立場で当委員会活動に参加してましたが、今回は委員長という大任を引き受けることになりました。  当委員会は、各委員の専門性を重視した委員会であり、所属する委員は弁護士、薬剤師、教員、心理学者等の多彩な経歴を持っております。  「安全は全てに優先する」「スカウトの笑顔のために」という当委員会の目指すものを委員一丸となって常に追求したいと考えておりますので、どうか宜しくお願い致します。  昨年度は、残念ながらスカウトが直接被害を受ける「セーフ・フロム・ハーム」事案が数件発生し、急遽、日本連盟コミショナーより「指導者バディルールの通達」が発出される事態となり、スカウト活動の現場では若干の混乱が生じたことと思います。  しかしながら、急遽の通達を行わざるを得なかった事案であり、また、私たちの活動の根幹を揺るがす事案でもあったことから、このような対応を行ったとご理解いただければ幸いです。  このような事態を踏まえて、当委員会では登録前研修(eラーニング)の更なるブラッシュアップ、参加者討論型の「セーフ・フロム・ハーム促進フォーラム」の開催、スカウト向けの「セーフ・フロム・ハーム」教材の更なる開発、「セーフ・フロム・ハーム対応規程」の理解促進等を行い、スカウト達に安心で安全な活動を提供し、スカウトの笑顔と保護者や社会からの信頼を得なければならないと考えております。  また、世界スカウト機構(WOSM)、並びに、日本連盟が取り組んでいる「持続可能な開発目標(SDGs)」についても、「思いやりの心を育む」観点から数々の研究・検討・ガイダンス等の作成を行う必要があると考えております。  なお、従前の「安全委員会」から継続事業として実施しております参加者討論型の「安全促進フォーラム」については、内容を発展させて開催することも考えております。  全てのスカウト達が笑顔になるような安心で安全な活動を目指しましょう。

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