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今年の夏は、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の感染拡大に加え、断続的な大雨が日本各地に被害を及ぼすなど、活動が困難な状況が続きました。日本連盟では、新型コロナへの対応についてガイドラインなどを明示するとともに、各地の状況に合わせた柔軟な対応をお願いしてきました。地域差はありますが、「3つの密」を避け、さまざまな工夫を凝らしながら、集合形態での活動も順次再開しています。 引き続き、一人ひとりが体調管理を徹底し、安全に留意して活動していきましょう。   感染拡大予防ガイドライン ver.02(概要) 活動では、まず何よりも感染拡大のリスクを低減しましょう。政府等の情報を参考に、留意点をガイドラインとしてまとめました。政府や各地域(自治体)から出る要請等に応じ、各県連盟の活動の方針を基本としたうえで、本ガイドラインに沿って活動を展開してください。   基本的考え方
  1. 感染リスクはゼロにはならないことを前提として、感染拡大リスクをできるだけ低減しながら活動する。
  2. 基本的な感染対策である「3つの密」を避けるなど、「新しい生活様式」に対応する。
  3. スカウトや指導者の家庭と連携する。
  4. 感染者や濃厚接触者への差別や偏見、いじめ、誹謗中傷などを防止する。
県連盟による活動方針の基準 県連盟ごとに、以下の内容を基に活動方針を定めています。活動の際は、県連盟の活動方針を確認しましょう。
  1. スカウトや指導者の生活圏における感染拡大の状況により判断する。 ➡ 自治体等の発表により地域の感染状況を確認し、地域の学校(部活動)などの対応を判断の参考にする。
  2. 県連盟( 地区)が各教育委員会へ問い合わせ等を行い、その内容を各団に伝達する。
  3. 文部科学省資料「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル〜『学校の新しい生活様式』〜(2020.8.6 更新 ver.3)」を参考にする。 ➡ 文部科学省の示す行動基準「レベル3」「レベル2」「レベル1」をスカウト活動に読み替える。
活動状況は各団のHP などで知ることができますが、地域の状況により対応が異なることを理解したうえで情報を得ましょう。また、発信時も同様に各地で状況が異なることに配慮しましょう。 感染リスクの高い活動と活動計画のポイント 内容によっては、代替プログラムやオンライン対応なども含めた活動の見直しを行いましょう。実施にあたっては参加者本人だけでなく、保護者等の理解と協力を得て進めることが重要です。感染リスクの高い活動では、管理態勢など通常の活動以上に細かな準備や計画が必要です。以下のポイントを踏まえて準備しましょう。
  1. スカウト( 一般児童、付添者など含む)と家庭に対し、事前の連絡や確認をする
  2. 指導者の体調管理と個人の備えを確認する
  3. 適切な活動場所の選定と備品の消毒をする
  4. 飲食物は個々に持参し、調理プログラムは地域の状況等によって実施を検討する
  5. 集会やゲーム等の内容は間隔や参加人数を考慮して検討する
  6. 公共交通機関の利用など、移動時の注意事項(混雑状況、マスク着用など)を確認する
  チェックシートの活用 皆さんの団では、活動再開にあたり、どのような準備をされているでしょうか。感染が終息を迎えるまで、集合型の活動に臨むためにはさまざまな配慮が必要です。スカウトと保護者に対して活動参加時に留意することなどを周知したり、活動中に使用する物を用意したりと、各団( 各隊)が事前に準備することと、参加者自身が気をつけるべきことがあります。すでに健康管理表などを準備して活動している団も多いのではないでしょうか。これから準備する団は、秋田県連盟の「活動参加事前チェックシート」や埼玉県連盟「活動実施時の感染防止策チェックリスト」( 県連盟のHP やSNS 等に掲載)などを参考にして、それぞれの団でも感染予防の準備を徹底したうえで活動に臨みましょう。   ルールの習慣化 活動を行う際に、スカウト自身が自分たちの安全を守ることを考え、実践できるように工夫しましょう。スカウトの進歩課目には、自らの「健康」について学び、行動するものがあります。また、キャンプや野外活動を通じて、「衛生」を保つ方法も多く学びます。それぞれの活動の中で、スカウトたちが自分たちの活動でのルールなどを考え、決定する機会をつくり、習慣化できるようにしてみましょう。スカウトにとって「習慣化=窮屈」なものではなく、「習慣化=快適に生活するための工夫」になるということを考える機会にしてみてください。 例えば……
  1. 活動が始まる前にみんなで体調を確認し合う。
  2. 安心して活動できる身体的な距離の保ち方を考えてみる。
  3. 水分を多めに取る。もちろんマイボトルを使用!
  4. 場所を移すとき、何かを始めるときや終えるときは、必ず手洗い( 消毒)をする。
  5. 活動後は、元気よくあいさつして帰る。スカウト活動の中でできることはたくさんあります。「わたしたちのスカウトルーティン」として、それぞれの隊などで考え、習慣化していきましょう。
 
各隊や団で活動する際の計画チェックリスト、手洗いやマスクの着用などのルールを定型化し、スカウトが取り組みやすいように工夫することが大切です。各地域の方針や日本連盟のガイドラインを基に、今年度下半期の活動計画を進めましょう。日本連盟のガイドラインは、ホームページでご確認ください。

ボーイスカウト日本連盟機関誌「SCOUTING」2020年9月号より

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