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<機関誌「SCOUTING」2022年11月号の記事を本サイトにも掲載しております。内容は機関誌発行当時のものです。>
■ 野外活動のための安心・安全講座
久しぶりの冬場の活動は事故にご注意!

この冬は、数年ぶりにリアルな活動を計画されている隊も多いのではないでしょうか。安全で事故のない活動を行えるように、十分な配慮はできていますか。冬季は、雪に触れる活動を計画している隊があるかもしれません。雪に慣れていない地域の皆さんは特に、日ごろの活動に加えて、冬季特有の配慮が必要です。安全で楽しい活動のため、今一度計画を見直してみましょう。


 
Q BS隊でスキーに1泊2日で実施します。配慮する点はありますか?
日ごろの活動と、基本的には安全面への配慮は同じですが、「事故(リスク)を未然に防ぐ」と「事故(リスク)を拡大させない」という両方を、しっかりと計画の段階で検討しておくことが大切です。慣れない道具を正しく使用しなかったために事故やけがにつながることがあります。それを防ぐためにも、自分に合った道具を使うことが重要です。たまにしか使用しないからと、サイズが合っていないものを無理に使用したり、場合によってはサイズがあっていないことに気が付かないこともあります。サイズの合わない道具を使用すると、苦痛によるやる気の欠如、無理をすることでの事故につながりますので、指導者だけでスカウトへの指導が難しい場合には、スキー指導員等へ協力依頼をすることも視野に入れておきましょう。 また、スカウト年代は突然、体調を崩したり熱を出したりすることがあります。コロナ禍で、活動場所近くの病院や、救急病院の受け入れ状況が異なることが考えられます。事前に宿泊施設に確認し、事故が発生した場合の指導者の動きと、雪道での搬送手段をきちんと確認するようにしてください。
Q 久しぶりに活動するスカウトや初めて体験するスカウトに対して、配慮する点はありますか?
無理のない活動内容や時間配分で計画をお願いします。あれもこれもと欲張ったプログラムは、スカウトによっては無理をさせることにつながります。雪の上を歩くだけでも転倒しけがをすることがある中で、慣れない状況では、より一層「骨折」「捻挫」のリスクが高まります。「楽しかったけど、もっといろいろなことをしたかった」というイメージでプログラムの確認をお願いします。また、風雪など天候によっては、予想より体力を消耗しますので、寒さを凌げるスペースで休憩することが望ましいです。スキー場など公共の場では、占有できるスペースを確保する事が難しく、共有スペースを朝から晩まで占有されている方を見かけることがあります。教育の一環として、活動しているスカウトが思いやりのある行動を身につけるためにも、そのような場所を占有することがないように、小集団ごとに昼食や休憩時間をずらすなど、事前の下見などで細かくチェックをして計画しましょう。
過去事例
過去10年間の統計によると、総事故件数に占めるスキー事故数はそこまで多くないものの、他の事故に比べてスカウトのけがの割合が高いという傾向が見られます。一方で、重度のけがが多いのは指導者というのもわかっています。雪の活動に慣れていないスカウトや指導者も多いため、より一層の配慮が求められます。
冬の活動に関連したチャレンジ章と技能章 活動を行う前に、スカウトと一緒に安全対策の策定をお願いします。スカウトの安全意識の向上につながるとともに、年代に応じて、「気づき」を得る場になるはずです。これからも安全に活動を行い、スカウトが「活動は楽しかったよ」と、元気に帰宅するように活動を進めてください。  

ボーイスカウト日本連盟機関誌「SCOUTING」2022年11月号にも掲載している内容です

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