スカウト活動において、私たちは安全について特に注意を払い、計画書の作成や下見、保険加入など、さまざまな対策に努めています。 しかしながら、慣れや忙しさから、その本質をつい忘れてしまうようなことはありませんか。 今号では、指導者に起こり得る「あるある」を事例に、自分の行動を振り返って考えてみましょう。
- 団委員長
- 「入隊式後初めての集会だから、ちょっと見に来ました。活動にもってこいの場所ですが、 いくつか危なそうなところがあるようですね。安全計画書はどうなっていたかな? 隊長、ちょっと見せてもらえますか ?」
- 隊長
- 「あっ…… 車の中に置いたままです。副長、ちょっと見せてくれるかな」
- 副長
- 「私はリーダー会議を欠席したので、計画書をもらっていません」
- 隊長
- 「8月の隊集会はキャンプですが、場所は○○山キャンプ場で決まりですね」
- DL1
- 「あのキャンプ場は、いい場所だと聞いています。さっそく下見ですね」
- DL2
- 「私、そこにはよく行くのですが、近くに美味しいパスタのお店があるんですよ」
- 副長
- 「じゃあ、早めに出かけて、打ち合わせを兼ねてランチでもしましょうよ」
- 隊長
- 「日程は来週の日曜日でどうでしょう ?」
- DL1
- 「その日なら行けます」
- DL2
- 「私もその日は大丈夫です」
- 隊長
- 「今、お配りしたのが、ボーイ隊の夏キャンプの計画書です」
- 団委員長
- 「スカウトがチャレンジしがいのある、冒険的なプログラムですね。 ただ、この活動は事故も起こりやすそうだし、保険の対象にはならないのでは ?」
- 隊長
- 「『そなえよつねに共済』の手引きを見たら、適用されるみたいです」
- 団委員長
- 「それなら安心ですね !」
「安全計画書」「下見」「保険」は、どれも安全を確保するうえで大切で欠かせませんが、上記のように、それぞれ「作成」「行くこと」「加入」自体が目的になってはいませんか? スカウトが「安全」に、指導者が「安心」して活動するために、それぞれの本当の意味を再確認してみましょう。
ボーイスカウト日本連盟機関誌「SCOUTING」2022年3月号より