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<機関誌「SCOUTING」2022年3月号の記事を本サイトにも掲載しております。内容は機関誌発行当時のものです。>
「ボーイスカウトとあそぼう!ワクワク自然体験あそび」を振り返って
楽しく遊んで仲間を増やそう!
ワクワク自然体験遊び

2020年度に文部科学省から受託し、全国約512会場で展開した「ボーイスカウトとあそぼう ! ワクワク自然体験あそび」事業(以下、自然体験あそび事業)。2021年度は、日本連盟の単費事業として実施しました。 2021年3月号に続いて、今号では、大分県連盟の事例から、自然体験活動をスカウト募集に活かすポイントをご紹介します。今後、各団や地区等で体験会などを企画運営する際の参考にしてください。

事例から考える体験活動のポイント
事 例
大分県連盟
活動名/銀河鉄道 —発車オーライ!—
実施日/ 2021 年12月4日(土)
会場/杵築市横岳自然公園
参加者/対象児童(小2 ~小4)13人
 
Point 1
加盟員減少地域で実施
本誌(2021年3月号 /No.742)では、愛媛県連盟西条地区で、3回同じ内容の事業を実施し、地区内にあるすべての団が各回の幹事団として本事業に関わった事例を紹介しました。 今回紹介する大分県連盟は、加盟員数減少に苦しむ地域において県連盟が実施主体になり、地域で活動する団と協同で運営していました。これは、「県連盟全体の加盟登録人数の底上げを図る」という明確な意図をもった取り組みです。 このように、1つの団で事業を展開することが難しい場合は、県連盟や地区の支援を得ることも大変有効的です。特に2021年度は、複数団で協力をして1会場を運営するケースが多くありました。  
Point 2
メディアを巻き込んだ自然体験活動を
地元ケーブルテレビに依頼し、取材に来たアナウンサーにも子どもと一緒に自然体験活動に参加してもらうことで、その様子が長い尺で取り上げられ、アナウンサーの感想とともに本事業の趣旨をしっかりと視聴者に伝えられていました。2020年度の本事業マニュアル①に記載しているとおり、報道機関に「報道発表資料」を提供することで、さまざまなメディアで取り上げられる可能性が広がります。どのようにしたら本事業を紹介してもらえるかを戦略的に考え、プログラムを工夫することも重要です。  
Point 3
保護者にもプログラムを提供
2021年3月号では、岡山連盟西大寺第1団の「保護者にも子どもと同じ体験活動を提供する工夫」について紹介しました。今回の事例では、付き添いの保護者にも以下のようなプログラムを提供し、「指導者と保護者や保護者同士がコミュニケーションを取れる場」になるように意識されていました。
1.ボーイスカウト説明会
大分県連盟出身の著名人が出演する PR 動画を用いることによって、保護者の興味関心を引くことに成功していました。
2.肥後守を使った鉛筆削り体験
実際に肥後守(折りたたみ式ナイフ)を使って鉛筆を削る体験では、自分で鉛筆を削ったことのある保護者は1人もいませんでしたが、説明会とは異なる和気あいあいとリラックスした雰囲気で進行。指導者と保護者で自然に会話する様子が見られました。また、それに伴い、保護者同士の会話も弾んでいました。自然体験あそび事業の場で初対面の保護者同士が会話している場面は非常に珍しく、とても素晴らしい工夫だと思います。
3.焚き付け用のフェザースティック作り
保護者が鉛筆削り体験で得た知識と技術を活かしてフェザースティックを作り、子どもは「パパ、ママの作ったフェザースティックで火をつけて、カートンドッグを作る」というストーリーで火起こし体験をすることで、帰宅後でも保護者と子どもの間で共通の話題が生まれることを期待しているという点も見逃せない工夫でした。
これまでの「ワクワク自然体験あそび」まとめ
2021年度の取り組み実績 (2022年1月31日現在)
 
1. 30県連盟で306会場の登録があり、4,976人の参加申し込みがありました。
前年から続くコロナ禍のなかにあっても、今年度の本事業開始当初には全国で300を超える会場での開催を予定していたことから、運営側である多くの団や地区等が本事業を活用しようと考え、準備していたことがうかがえます。また、実際には開催ができなかった会場もありますが、次回の開催予定やキャンセル待ちの問い合わせなども含めた多くの反響がありました。
 
2. 今年度は、1つの団が本事業を33回以上実施しているケースが多くみられました。
これらの団は、ふだんの隊集会を本事業の取り組みとして位置づけ、実施しています。ぜひみなさんの団でも、特別な準備をしなくとも、自然体験活動の提供回数を増やす試みを検討してください。
 
学校を通じたチラシの配付 
初めて展開した2020年度は、文部科学省の委託事業ということもあり、「普段はなかなか協力を得られない学校からもチラシの配付を配慮してもらえた」という声が多く聞かれました。2021年度は日本連盟の単費事業として実施しましたが、「継続して3回以上の開催実績」という文部科学省の後援申請基準に満たなかったため、開催地ごとに都道府県や市区町村教育委員会の後援を得るようにご準備いただき、多くの県連盟や地区で対応いただきました。 その結果、チラシの配付については前年度と同様に学校の協力を得られたとの多くの声をいただいています。団委員長と学校長の顔が見える良好な関係を築くことが大切ですので、事業終了後には改めて学校に挨拶に出向くなどの配慮をお願いします。 ※都道府県、市区町村教育委員会から後援を得るための手続きや Point2 の報道発表資料の活用等については、2020年度に配付した『 ボーイスカウトとあそぼう ! ワクワク自然体験あそびマニュアル① ―「体験活動の進め方」編―』をご覧ください。
2022年度の自然体験あそび事業 
2022年度も「ボーイスカウトとあそぼう ! ワクワク自然体験あそび」事業を実施する予定です。実施する際のエントリーシステムについては、年度の早い時期から年度末まで、できる限り通年でお使いいただけるように準備を進めています。引き続き、全国の団で本事業を実施していただき、各地域におけるボーイスカウト運動への認知度を高めるとともに、全国各地で1人でも多くの子どもに自然体験活動の場を提供できるよう、県連盟や地区、団での実施の検討をお願いいたします。
団支援・組織拡充委員会
 

ボーイスカウト日本連盟機関誌「SCOUTING」2022年3月号より

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