■講師:天沼 耕平 氏(国連UNHCR協会職員)
2012年に国連UNHCR協会に入職し、「国連難民支援プロジェクト」関東エリアマネージャーを経て、現在は広報啓発事業 / 難民高等教育プログラム担当。2023年5月時点で、難民の数は1.1億人以上に。
学習会では、「衣料品」が実際に届けられている難民の方々の定義や実情について伺いました。 正式には、難民とは、「人種、宗教、国籍、政治的意見やまたは特定の社会集団に属するなどの理由で、自国にいると迫害を受けるかあるいは迫害を受ける恐れがあるために他国に逃れた」人々と定義されています。(*1951年「難民の地位に関する条約」より) しかし、UNHCRでは、国際的・国内的な武力紛争や戦争から他国に逃れてきている人々も、前述の定義に該当するのであれば「難民」と定めています。(*UNHCR国際的保護に関するガイドライン12より)また昨今では「国内避難民」が増加しています。 2022年、日本でウクライナから逃れてきた方々が増えた際にも、テレビの報道では「ウクライナ難民」ではなく「ウクライナ避難民」として紹介されるケースが多かったことに天沼さんは言及しました。これは、日本が前述の「難民の地位に関する条約」の規定を厳密に守っているためです。 こうした国内避難民は年々増加していると、天沼さんは言います。2023年5月末の時点で、難民、、国内避難民を含め故郷を追われ困難な状況にある方々は1.1億人に登るとのことです。これは全人類の約80人に1人という計算にあたります。難民に関する問題は「かつて、昔」の話ではなく、今もなお現在進行系で深刻な問題なのです。日本における難民支援・わたしたちにできること
グローバルな課題である難民問題。私達が暮らす日本でも様々な支援活動が行われています。 例としては、 ● 第三国定住(2010〜) 2020年から年間の受入数を30人から60人にし、5年後を目処に年間100人程度またはそれ以上への拡大を目指しています。 ● シリア周辺国から留学生としての受け入れ JICAの「JISR」プログラム(2021年までに5回に分けて、最大100名の留学生を日本へ受け入れ)や民間団体などによる取り組み ● RHEP(難民高等教育プログラム) 2007年から、。現在は15以上の大学と連携し、高等教育の機会を提供 ● 難民を支える自治体ネットワーク 世界55カ国・286の自治体(2023年5月末時点)が参加・自治体との連携を強化し、”誰一人取り残さない”世界の実現を目指す。 日本での署名都市(署名順):東京都 広島市 文京区 渋谷区 瀬戸内市 札幌市 世田谷区 敦賀市 大村市 横浜市 鎌倉市 中野区 日本は、他の先進国に比較するとまだまだ、難民の認定に関する%は低い状況があります。支援の輪を拡大していく必要がありますが、天沼さんは、最後に、私達にできることとして4つのことを挙げました。 スカウト活動の中でも実際に支援活動に取り組んでいる団もあります。 また、スカウトではこれまでにも実施してきた「衣料回収プロジェクト」に加え、今年度の特別プログラムとして「ユース難民アートコンテスト」にも取り組みます。 私達一人ひとりが「できること」を考え実践していきましょう。ボーイスカウトによる難民支援プロジェクトの詳細はこちら https://www.scout.or.jp/member/support_for_refugees/