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<機関誌「SCOUTING」2023年3月号の記事を本サイトにも掲載しております。内容は機関誌発行当時のものです。>
これからのプログラムグランドデザイン
総コミッショナー
村田 禎章
令和4年4月1日をもって日本連盟理事会等の体制が変更され、スカウト、指導者の教育施策関係については教育推進本部が担当することとなりました。教育推進本部は総コミッショナー、国際・プログラム・AIS ※各コミッショナー、特命コミッショナー、ブロック統括コミッショナーにより編成され、一体的な教育施策の策定及び展開を担うこととなりました。 全体のプログラム推進の方向として、2017年の世界スカウト会議におけるスカウティングの使命声明を受け、地域社会の関わりを重要な活動のひとつとして位置付け、プログラムの開発に着手いたしました。ビーバー、カブだけでなく、ボーイ以上、指導者も含めて参加しやすい(誰もが参加したいと思う)スカウト運動の確立を目指しています。そのような意味からも、特に青年の参画に力を入れてまいりました。 一昨年、世界スカウト機構(WOSM)が実施したGSAT(グローバル・サポート・アセスメント・ツール)による指摘事項への対応・改善については、国際コミッショナーの指導のもと、国際担当者連絡会(各委員会による横断的な連絡会議として設置)を中心に教育推進本部、各委員会によって取り組みを行っています。青年の参画に向けて、全国各団の実情把握とサポート計画の検討、そのためのデータ作成等は、教育推進本部の直接取り扱う事項として特命コミッショナーが推進しています。地域社会との関わりを深め、本運動の社会的価値の向上を目指しています。ローバー部門のプログラムにスカウトたちが取り組みやすくするため、全国的なサポートのネットワーク、実施した活動を認証する仕組みの双方を整備し、ローバースカウトの自発的な、専門性の高い活動に対応できる体制を構築していきます。また、ビーバーからベンチャーまでの各部門においても進歩・進級課目を整理し、現代の実情に合った隊運営、プログラム開発に着手しています。 AISについては、AISに関する世界方針の日本版ともいえる「指導者養成に関する指針」をもとに適切かつ現代的なサポートとトレーニングの仕組み作りに着手しています。従来からの「加盟員」という枠組みだけでなく、本運動を取り巻くあらゆる成人(地域の協力者等々)の役割や位置付けを明確にし、さらに本運動への支援が得られるよう新登録制度の主旨を活かした協力体制の構築に寄与していきます。 これらの施策ついては、各委員会、教育推進本部だけでなく全国県コミッショナー会議、各ブロックでの県コミッショナー会議等においても十分な協議をいただく体制を構築しつつあります。 今後とも教育推進本部の事業実施にご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
※AIS:Adults in Scouting…スカウト運動における成人の取り組みについて、人材の発掘から、資質の向上、活動の評価や組織運営等も含めた「ライフサイクル」という概念を用いた、スカウト運動を支援する仕組み、またその考え方。
 
プログラムコミッショナー
川瀬 政美
総コミッショナーから示されたいくつかの方針に則り、教育推進本部会合での意見をもとに、プログラム委員会では各部門のプログラムを現代の課題や環境変化に合わせて、見直しを進めております。特に今年度は、ローバー部門を重点として取り組んでおり、スカウトに地域社会や世界につながりを深めてもらうための支援として「ローバーアカデミー」というネットワークの構築に着手しました。 ボーイスカウト向けのプログラムにSDGsの要素を取り入れていく具体的なヒント集を作成、また、カブスカウトの保護者向けの資料を制作するなど、隊指導者の方々へ支援するツールの開発を行っております。各部門の教育・活動の目標を見据えつつ、時代の変化に沿ったプログラムの内容や提供方法についても引き続き検討を進めてまいります。  
AISコミッショナー
栗田 哲郎
今年度から、WOSMのAIS世界方針に則り、AIS委員会では、指導者だけでなく、スカウトをとりまくすべての成人への支援を行うことを目的に、それが効果的に達成されるための訓練などを適切に行う方策の検討を行っています。こうした成人への支援は、スカウトへの最適なプログラムを提供することを目指しております。トレーニングの仕組みづくりについて、内容や手法のほか、提供方法についても見直しを行い、e-ラーニングやWebを活用したトレーニングシステムの導入も検討しています。成人へのサポート体制について、時代に即した形に見直すために、県コミッショナーとの連携も欠かせません。 プログラム委員会が実施しております「ローバーアカデミー」は、まさにAIS世界方針を受けて施策のひとつとして開始されたものであります。組織内外の人々の人的ネットワークを構築して、AIS委員会とプログラム委員会が両輪となって、スカウトへの支援を引き続き、行ってまいりたいと考えております。
国際コミッショナー
松平 賴昌
スカウティングは、世界の私たちの仲間が同じ基準で若者の未来を形作る運動です。世の中が目まぐるしく変化する中、WOSMも常に変化を求められ、その方向性を日本連盟が共有し、実行することが求められております。WOSMが提唱する本運動において、「青少年プログラム方針」、「青少年参画方針」、「成人に関する世界方針」、「セーフ・フロム・ハーム世界方針」といったものを基盤としてさまざまな取り組みが採択されています。これらを含めて13のキーワード※がありますが、その中でも近年特に意識されているものは、「社会との協同」の分野、「人道的支援行動」、「ガバナンス」を挙げることができるといえます。指導者の皆様におかれましては、世界中の仲間がどういった行動をしているか、より積極的に情報を集めて、この運動に参画する子どもから大人までが、それぞれの成長を促す取り組みを行うことへのご尽力を賜りたいと願っております。
https://services.scout.org/about ※13のキーワード:Youth Programme,Youth Engagement,Adults In Scouting,Diversity & Inclusion,BetterWorld Framework,Safe From Harm, Spiritual Development Moved Under Youth Programme,Scouting & Humanitarian Action,Global Support Assessment Tool (Gsat), Good Governance,Communications,Growth,External Relations
 

ボーイスカウト日本連盟機関誌「SCOUTING」2023年3月号にも掲載している内容です

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