青年・成人の部( 高校生以上)
【応募総数186点】
『スプラァーーーッシュ!』
北見 鮎子 神奈川・川崎第38団 カブ隊副長
手作り水鉄砲で、いちばん高く飛ばせるのは誰かなー!?
しぶきがよく写し出されるようなカメラ位置で撮っています。背景が森林で暗いところに、空中に飛んで陽にあたった水が浮かび上がっており、より強く水鉄砲の雰囲気が出ています。撮るときから狙いどおりに表現されていて、撮影者のうまさがこの1枚に出ています。
『兄貴、狩りから帰る』
丹生 克生 和歌山・橋本第2団 カブ隊長
たくさんのゴミを拾って帰ってくるその「ドヤ感 」には、後輩たちに向けて獲物を持ち帰る、頼れる存在感がありました。
ゴミをいっぱい持って帰っている情景そのものは地味だが、タイトルがドラマティックですばらしい。ボランティア活動を盛り上げる写真です。
『星下の営火』
北川 勝久 富山・南砺第3団 ベンチャー隊
暮れる前の夕景の雲と星、営火の明るさとのバランスが合うような時間を狙って撮っていて、画面にドラマを写しこんでいる、そういううまさがあります。これより遅い時刻だと空が暗くなってしまい、営火だけが目立ってしまいます。適度に暗くて、適度に明るい情景は、営火の楽しさを映し出しており、風景としてダイナミックな撮り方をしていてうまいです。
『登れたよー』
市川 みどり
埼玉・入間第2団
ビーバー隊長
『得意なもの』
小室 馨一
埼玉・鴻巣第2団
団委員長
『くまスカウトに教わって』
佐藤 なつみ
千葉・千葉第6団
カブ隊デンリーダー
『木もれびの中で』
姫嶋 真基子
山梨・甲府第6団
保護者
『落ち葉を集めて、何ができるのかな!』
苦瓜 一夫
兵庫・姫路第6団
団委員長
『初めての米とぎ』
富澤 昇太
兵庫・西宮第21団
ローバースカウト
『生涯の友!』
吉冨 彩音
大阪・富田林第2団
ベンチャースカウト
総評
優秀作に選ばれなかった写真は説明的な要素が強く、写真からにじみ出てくるドラマが少ない。 説明的にはよく写っているが、全体の雰囲気は弱い。その違いが審査のポイントになってくると思います。『 生涯の友 !』も雰囲気はよくおもしろいが、全体のドラマとなると弱い。上の人物がもう少し明るいと、下のシルエットが活きてくるでしょう。『 登れたよー』も表情はよいが、スカウトと木のつながりが弱い。木登りの雰囲気がもう少し出てくるとよいですね。今回の応募作品はどれも、現在の厳しい状況の中でコロナを避けながら知恵をしぼって活動された賜物だと思います。
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たぬまたけよし
東京写真工専卒業後、木村伊兵衛氏のもとで修業、その後フリーに。
高度成長期以前の東京下町の暮らしなどを撮影する。
活躍の舞台を世界にひろげ、各国の子どもたちの写真を撮り続けている。
1995年より2015年まで日本写真家協会会長。
紫綬褒章など多数受賞し、2019年には写真家で初めて文化勲章を受章した。
少年時代、現在の台東第1団(東京第2隊)の前身である大谷健児団でボーイスカウト活動に参加。
ボーイスカウト日本連盟機関誌「SCOUTING」2021年5月号にも掲載している内容です