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<機関誌「SCOUTING」2023年9月号の記事を本サイトにも掲載しております。内容は機関誌発行当時のものです。>
スカウト特別海外派遣
SDGs for Scouts ~全生物が共棲可能な環境づくりに向け~
兵庫連盟 西宮第13団 森下 結友 私がこの派遣を志したのは、私自身の富士プロジェクトがきっかけでした。SDGsをテーマに、災害に関する調査を継続してきた私は、この機会を活用して海外の災害現場へと赴き、さらに災害についての知見を深めようと思いました。そこで目を付けたのが、2019年に発生した、オーストラリアでの森林火災でした。 現地では森林火災関連の取り組みが中心でした。被災者の方々との交流、記念施設の見学、大学の研究者との意見交換、被災現場の視察など、自分の目でその現状を確かめました。それらを日本へと持ち帰り、自分なりに考察を深め、その集大成として、一冊の報告書をまとめあげました。 もちろん、災害の調査だけを行ったわけではありません。ホームステイの中での異文化交流、現地のスカウト活動への参加、オーストラリアの歴史探究といった活動も行いました。まさに、「スカウティングの学習旅行」と形容するのがぴったりな3 週間となりました。 現地の方々の親切さ、スカウト活動の社会的評価の高さは非常に印象に残っています。制服を着用していれば、どこに行っても手厚いサポートをいただけました。スカウト活動が受ける地元の評価を目の当たりにし、また災害についての知識が増えたことで、帰国後、将来世代を支える立場としての社会的責任が、より一層自分の中に根付いたような気がしています。海外での学習を企画から報告まですべて自分が主体的にやることで、自らの成長の大きな糧となることは間違いありません。富士スカウトならぜひ、一度応募を検討してみてほしいと思います。
人が守り受け継いだ自然と文化 ~逆境をチャンスに変えるためのカナダ派遣~
東京連盟 目黒第1団 成澤 椿 世界に誇る日本の世界遺産。自然が育んだ絶景や先人から受け継がれてきた数々の遺産に感銘を受けると同時に、守り紡いできた人々の想いに引き込まれました。その想いの原動力を学びたいという思いから、環境保全を積極的に取り組んでいるカナダ横断へと私を突き動かしました。植民地時代の英仏文化が街並みや建造物として色濃く残る「ケベック旧市街の歴史地区」では、過去の争いと困難から目を背けずに受け止め、異なる文化の融合で生まれた歴史を色褪せることなく繋ぐ人々の想いに触れました。また、バンフ国立公園では、試行錯誤を繰り返しながら自然に寄り添い続け、変わらぬ景観を後世に残そうとする徹底的な取り組みを身をもって学びました。今回の派遣で、生涯忘れないであろう絶景の地に立ち、沢山の出逢いがありました。それはテレビや雑誌では伝わらない、人々の言葉や想いに触れる機会となりました。その土地に根差す人々の想いがあってこそ文化や伝統は守られ、その意義を問いかけ続ける想いの連鎖。ボーイスカウト活動の中で、寄り添い支えて下さった指導者と先輩スカウトから授かった経験と学びが私の原動力となったように、これからを紡いでいくスカウトたちの原動力となれる存在でありたいという私の意識をも変えました。誰もがそれぞれ持つ個性や力を伸ばし活かせるボーイスカウトという舞台で、新たな価値観や人との繋がりへ出会う一歩を踏み出していってほしいと願っています。

ボーイスカウト日本連盟機関誌「SCOUTING」2023年9月号にも掲載している内容です

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