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国際委員会では、「Scouting Never Stops」の取組みの一貫として「オンラインで世界を探検しよう」と題して、世界各国の活動や、国内で行うことができる「国際」の取組みを8週に渡り、スカウトや指導者の皆様にお届けを予定しています。今回は、第6週目の企画となります。

今回は、皆さんが所属する世界スカウト機構アジア太平洋地域の、現在のローバースカウトが生まれた当時の加盟人数と各国ローバースカウトの活動を紹介します。生活環境が変わった現在でも、地域社会では解決しなければならない課題は沢山あります。地域の課題を目で、足で、会話を通して発見し、チームでより良い社会づくりを目指しましょう。

第6回 アジア太平洋地域のスカウティング

 アジア太平洋地域の国と地域の加盟人数の推移
1995年                24の国と地域    約1,730万人
2020年                30の国と地域    約3,740万人

多くの発展途上国では,70%の人々が非識字者で、30%の子供は学校へも行けない。学校へ行っている子供の半数も中学へ上がらずに中途退学を余儀なくされている。読み書きを修得した子供の多くも,やがて読む物が無いため非識字者に戻ってしまう。

■インドのスカウトとガイド,読み書き教室に挑戦

インドのスカウトとガイドが、もっと多くの人々の生活水準向上のために力を貸そうと,読み書き教室を始めた。

さらに、アジア各国では,地域の図書館が読書欲を刺激

ネパール、バングラデシュ、インドネシア等のアジアの国々で、新しく読み書きが出来るようになった人々のために、スカウト達が多くの地域に小さな図書館を作った。

風評被害や麻薬と戦うスカウティング

■インドのスカウト、らい病との闘い

インドの医療機関は確立された対らい病プログラムを持っており,医学的に問題はない。 ただ,インドでは多くの人々が病気は”のろい”であると考えていて,治療にいくことを恥じていることが問題なのである。そこで「らい病は”のろい”ではない」というメッセージで,インドのスカウトとガイドがキャンペーンを行った。

■ネパールのスカウト,麻薬に「NO」

青年たちに麻薬の害についての教育を行うことは,各国のスカウト連盟にとって年々重要な課題となってきている。ネパールのスカウト連盟では,若い人々が麻薬に「NO」と言うように支援する活動が行われている。

食糧の安定供給に努めるスカウティング

世界中の人々が十分食べられる量の食料が、世界で生産されているにも拘らず,毎年100万人もの人々が栄養失調に関連した原因で死亡している。そして10億人もの人々が食料不足で苦しんでいる。流通・食料管理の改良,栄養についての知識,そして高い収入は,より多くの人々に多くの食料をいき渡らせる。

■村のおたのしみ一食べ物についての劇

開発途上国に広がる栄義失調は,知織の不足が一つの原因である。バングラデシュ他アジアの国々では,栄養についての知識を楽しく知ってもらうための方法として,野菜に扮したスカウトたちが繰り広げるミュージカルが演じられている。

■インドネシアのスカウトは水の必要性に注目

インドネシアでは,地域とともに特定の開発プロジェクトに取り組み,そして同時にそれを楽しむという,地域奉仕キャンプが行われている。ある地域は主要農産物確保のための灌漑設備に取り組み,またある地域は安全な水の確保と下水設備に取り組んだ。

参考文献 : ローバースカウトハンドブック 平成7年(1995年)8月20日初版発行 財団法人ボーイスカウト日本連盟

 


文責:国際コミッショナー      嶋田 寛

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