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  母体は大学のボランティアセンター 2010(平成22)年、新潟青陵大学・新潟青陵大学短期大学部の中に「ボランティアセンター」が誕生し、学年学科を問わず集まった学生がさまざまなボランティア活動に取り組み、今日に至る。 新潟連盟は近年、県内のローバー活動を活性化させたいと考えていた。そこで、既存の大学生のグループにスカウト運動を盛り上げてもらえないかと、長年ボーイスカウト活動に奉仕してきた同大学ボランティアセンター長に相談。センター長は、すでにさまざまな団体のもとでボランティア活動を実践している学生たちにとっても、ボーイスカウトという新たな経験の場を増やすことはきっと今後の糧になるはずで、学生たちは、その時その時に自分で興味のある活動を選び、挑戦できるのだから、そのひとつがボーイスカウトでもいいのではないかと考えた。 こうして県連盟による活動のバックアップのもと、センター長が団委員長となり、ボランティアセンターのメンバーを中心とした新潟第19団が誕生した。   同じ制服を着る仲間たち もともとは大学のボランティアセンターのメンバーであるスカウトたち。大半はボーイスカウトをよく知らなかった。形から入る(制服を着る)ことに抵抗がある者もいた。 昨年9月に開催された新潟県連盟創立70周年記念キャンポリーに奉仕し、同じ制服を着て同じ活動に取り組むことで「仲間」という感覚を実感できたというスカウトは、「新しい団、ましてや何も知らない大学生の自分が相手にされるのか不安だったけれど、迎え入れてくれた。初めて会うビーバーやカブの子たちは、制服を着た私たちを、仲間のお兄さんお姉さんといった感じで慕い、頼ってくれたのが嬉しかった」と話す。   県連盟のローバー代表 他団体の活動などにも励む一方、「ボーイスカウト」の魅力に惹きつけられ、ローバースカウトの全国組織「全国ローバースカウト会議(RCJ)」の県連盟代表になったスカウトがいる。 彼女は、他団体でキャンプ経験があったが、何もないところから自分たちで生み出すボーイスカウトのキャンプに驚き、感動に心を奪われたという。これまでのキャンプは準備された恵まれた環境だった。ボーイスカウトで、自分で生み出す苦労と面白さに気づいた。団委員長がよく使う「自己完結」の言葉の意味もよく分かった。できないことをできるようにするのは楽しい。ボーイスカウトでは、準備から最後まですべて自分たちの自己責任で行うのだ。 何もわからないまま参加した5 月の全国大会では、他県から集まる多くの同年代に出会い、「自分も県連盟の代表なんだ」という意識が芽生えたという。新潟ではまだまだローバーの活動が少ない。全国の仲間と出会ったことで、自分たちだからこそできること、大学ローバーならではのことを見つけていきたいと思うようになり、活動に励んでいる。   ボーイスカウトの強み 他団体での奉仕経験が多い新潟第19 団のローバースカウトが、一般の子どもたちと交流する機会が多いからこそ感じた、ボーイスカウトの強みを語ってくれた。 県連盟の記念キャンポリーでは、運営の手伝いをしながら、年少スカウトたちの生き生きとした姿を目の当たりにし、一般的な子どもたちとボーイスカウトの違いを感じたという。スカウトは小さいうちから訓練を積んでいて、危険があっても大人の目がある中で自分がやりたいように挑戦し、失敗を経験して成長していくため、スキルがあり意志も強い子が多い。団体行動もできる。かといって頭でっかちなわけでもなく、休憩時間などの自由な時間には、一般の子と変わらずに遊びまわる。そして、ただ遊ぶだけでなく、遊び方も仲間も自分たちで見つけることができている。 支援する大人たちの中に、「こういう子に育てたい」という目的がはっきりとあるからこそ、子どもたちは自由に生き生きと活動できるのではないか。学校だけでは学べない、人間的な学びや成長があるということを、年少スカウトとの活動を通じて学んだ。   今後の展望 発足からまだ1年経っていない。「今は助走段階」という皆さん。キャンポリーのほか、新潟県に本社を構える株式会社スノーピークのイベントなどにも奉仕し、経験を積んだ。 県連盟の期待を受け、ゆくゆくは活動に困っている地域団のスカウトがいれば一緒に活動するなど、新潟県内のローバーの中心的受け皿となっていきたいという。そして、大学ローバーだからこそ、他団体や組織ともつながり、国際的なネットワークをもつ団体として、より発展させていくことも目標のひとつに掲げた。 世に出てさまざまな形で活躍するOBOGのように、自分自身を律して、自身や活動をPR できるようになっていきたいと口をそろえるスカウトと、自信をもって地域、日本国内、世界へとスカウトたちを送り出していきたいという指導者のいる、新星 新潟第19団。今後の活躍が楽しみだ。   お話を伺った皆さん。 県連盟から南雲理事長と清水事務局長もスカウトを激励に駆けつけてくださった。

ボーイスカウト日本連盟機関誌「SCOUTING」2020年1月号より

 
 

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