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<機関誌「SCOUTING」2023年9月号の記事を本サイトにも掲載しております。内容は機関誌発行当時のものです。>
佐賀県連盟
有田第1団

佐賀県西部、長崎県に接する有田町は人口約19,000 人ほど、日本を代表する陶磁器「有田焼」の産地として知られている。そんな有田町で元気に活動しているのが有田第1団だ。今年発足より60年を迎える同団の活動の様子や指導者の皆さんのお考えを聴いてみた。

 
Scouting with Boys!!

黒髪山にスカウトの声がこだまする!

黒髪山は佐賀県武雄市と有田町の境に位置する標高516m の山で、九州百名山にも選ばれている。4月の第一日曜日に山開きが行われるが、有田第1団のスカウトも毎年この行事に参加。ビーバースカウトをはじめ全員でその頂を目指し、心地よい春を迎えた山には元気なスカウトの声がこだまする。しんどい坂道を登り切り、見晴らしの良い山頂でみんなと一緒に食べる昼食は格別だ。 その他にも有田第1 団では毎年恒例の団行事の機会を多くもっている。町の「陶器市」にあわせたユニセフ募金活動、田植えや稲刈りの体験、作ったもち米でのもちつき、毎年8月15日の終戦記念日には善福院というお寺で平和を祈るなど、その内容も多彩だ。 また、町の公園敷地内に約5,000㎡の用地を借り受け、スカウトハウスを設置し、自団専用のキャンプ場としている。これも日頃より地域に根差した活動をしているからといえよう。団の加盟員数は50人ほどで毎年推移している。男子スカウトのみが活動し、対象人口が約1,300人ほどの町であるという点を考慮すると、その組織率の高さは特筆すべきであろう。  
 

有田第1団の活動を聴いてみた

そんな有田第1団の隊長のみなさんに話を伺った。団のキャンプ場を中心にどんぐり工作をしたり、筏(いかだ)を池に浮かべたり楽しい活動を展開しているビーバー隊。末永隊長は「楽しい遊びの中でも人の話にちゃんと耳を傾けるということを大事にしています」と語る。地域の史跡を巡り、その歴史に触れるなどカブ隊のプログラムも楽しいものだ。「すなおなカブが多いですね」と川浪隊長は穏やかに笑った。団のキャンプ場に3泊の野営をし、そこから学校に通うというユニークな試みをしているボーイ隊。「スカウトの進級意欲が高いんです。25WSJには7人のスカウトが参加します」そう語るのは馬場隊長。パイオニアリングにチャレンジしたい! など、スカウト自身の発信がある班長会議も充実しているという。ベンチャー隊では長崎の五島列島での自転車旅行など、アクティブな活動を展開している。「もっともっと意欲的になってほしい」と語る永石隊長の目は優しく、スカウトとの信頼関係が深いことは容易に推察できる。また、高校を卒業して有田町を離れたスカウトも、帰省の折には後進の指導に積極的に奉仕するという。そういう受け皿も絶えず準備している。 また、有田第1団ではホームページにて各隊の年間プログラムを公開している。これは広く活動を知ってもらうという点で参考になると思われる。  
 

指導者訓練を大切にしよう

「指導者訓練を大切にしよう」というのが有田第1 団発足時の荒木隊長の教えだ。当時スカウトだった原口副団委員長はそういう団の伝統を話してくれた。そして、子どもが減っているからというのは言い訳にすぎない、本当にスカウティングの楽しさを子どもに伝えることができているだろうか、との示唆をされた。 まずは、大人が自己研鑽に励み変わっていこう、そして自身がこの運動に喜びや楽しみを見出すことによってスカウトたちを導いていこう、それが自身のさらなる成長にもなるということだ。今回、いろいろお話を伺っている中で、隊長の皆さんがスカウティングを楽しんでいることが強く感じられた。団の元気の根源はこんなところにあるのかもしれない。 成人がどうスカウティングに関わっていくかについて、原口副団委員長が少し笑みをこぼされながら語っていたフレーズは『Scouting with Boys!!』

ボーイスカウト日本連盟機関誌「SCOUTING」2023年9月号にも掲載している内容です

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