全都道府県連盟宛・日本連盟コミッショナー発信文書
平成25年12月15日に京都で発生しました、ボーイスカウト隊の登山での捜索の件を受け、改めて活動での安全管理の大切さを胸に刻み、二度とこのような事が起こらないように連盟全体で努めていく所存です。 つきましては、より一層、安全への注意喚起を図るため、下記の通り、留意事項を通知いたしますので、貴連盟指導者各位にご周知をお願いいたします。 また、ボーイスカウト日本連盟発行の『安全入門』、スカウティング誌『野外活動のための安心・安全講座』等の再熟読や、平成25年11月22日発信『冬季の諸活動に向けて』の再確認を重ねてお願いいたします。公益財団法人ボーイスカウト日本連盟 日本連盟コミッショナー 膳 師 功
1.計画に関して
ルートに関して- 最新情報を基に参加者の技術、体力を考慮し、目的地やルートを選定した計画を立てる。
- 登山は、早出、早着とし、特に日の短い季節(秋~冬~春先)は余裕を持って午後3時までには下山できるような計画とする。
- 万が一に備え、変更プラン(エスケープルート)や中止の判断をどの地点、条件でするのかをあらかじめ決めておく。
- 計画段階で考えうる問題点や、周辺の病院や警察、山の管理事務所などを調べておく。
- 事故発生時における連絡体制等も必ず考え、実施調査時に全ての事項を確認しておく。
- 実地調査を含めた徹底的な事前調査は安全の最大のポイントである。同季節の同時間帯実施し、現地の状況や、標識などの有無、紛らわしいポイント、携帯電話の電波の有無避難先等を必ず確認しておく。
- 上記の安全に関しての事項も必ず確認しておく。
- 実地調査の結果を踏まえ、実行ルートや時間、各問題点を必ず再度検討する。
- 県外旅行申請 県外で活動を実施する場合、隊指導者は、団を経由して所属の県連盟に県外旅行申請書を提出する。そして、県連盟は、訪問先の県連盟に通報する。これは、その地域のボーイスカウトとの交流を円滑にし、地域の情報を事前に知ることができるとともに、万が一事故にあった場合の迅速な対応を行うためのものである。リスクマネジメントの一環として確実に実施する。
- 登山計画書(登山届) 日帰り登山・ハイキングなどでも、万が一に備え、必ず登山計画書※1を管轄している察署等に提出する。 ※1 登山計画書、届出先等は、(公財)日本山岳協会ホームページを参照
- 事前に必ず作成し、団に提出する。
2.実施に関して
- 天候等の情報収集 冬季は、麓は紅葉でも山頂は降雪といった場合もある。目的地周辺の天候、気温、登山道等の天候の確認や情報収集を行う。
- 定期的な報告 通信手段を確保する。現在の状況やけが人の有無、計画との変更など、団委員長または責任者に電話や無線機等による定期連絡を入れるように努める。
- 万全な服装と装備 ・天候や自然の状態で、実地調査時と状況は変更している場合もある。最悪の天候を予測した防寒着、雨具等、適切な服装を選ぶ。 ・地図やコンパスなどの携行の他、ヘッドライト、ホイッスル、ナイフ、マッチ、携帯電話の予備電池、十分な飲料・食料、など万全な装備で実施する。