※クラウドファンディングは皆さまからのたくさんのご支援をもって2月20日に終了いたしました。ありがとうございました。
ボーイスカウト日本連盟 クラウドファンディング応援企画 トークリレーインタビュー第4弾は、東京連盟・江戸川第1団の貝原旭騎スカウトに、ローバー部門の活動、能登半島地震の復旧・復興支援、そしてボーイスカウト活動の魅力についてお話を伺いました。

――まず、自己紹介をお願いします。
貝原旭騎スカウト:東京連盟・江戸川第1団のローバースカウト、貝原旭騎です。10歳でスカウト活動を始め、10年以上にわたり、キャンプや国際交流、社会奉仕など、さまざまな経験をボーイスカウトを通じて、積んできました。今では、スカウティングが生活の一部になっていますし、もはや「ボランティアが本業」と言っても過言ではないです(笑)
――スカウティング(スカウト活動)を続ける中で、どのような成長を感じましたか?
スカウティングは、キャンプやハイキングなどの野外活動ばかりが注目されがちですが、実際にはそれが全てではなく、「良き社会人・市民を育てる場」だとローバー部門になってから実感しています。私自身、活動を通じて、課題発見力・解決力やリーダーシップ、そして何より「人を思いやる心」「人と社会のために奉仕できるスキルナレッジ・マインド」が育ちました。カブ部門やボーイ部門で自然と経験してきた「人にありがとうと言われる喜びを知っ た奉仕活動」や「さまざまなしかけであったりあるいは自身の特技を見つけられたりした各プログラム」を通じて気付い たら他人様や社会の一助になれることに最大の喜びを持てるようになりました。
また、ベンチャー部門以降自発的に企画・運営する機会が増えるとともに国際的な交流・議論する機会を通して、社会貢献への意識が強まりました。 例えば、地域における防災促進のためのスキーム作りや、他世代間交流促進事業など、自分たちに何ができるのかを常に考えうまくいかないこともあれども、実践するようになりました。
――能登半島で被災者支援をされているそうですね。
はい。珠洲市には、7 年前ジャンボリーでお世話になったこともあり、いても立ってもいられず、公私どちらでも支援に 携わらせていただいております。特に、ボーイスカウトのスキルとマインドを活かして、現地でボランティア活動も行いました。石川県連盟が復興支援拠点を設置し、全国のスカウトが参加できるようになっていたんです。
ただ、僕たちは技術系ボランティアの皆様などのように専門的な作業ができるわけではありません。そこで、「スカウトだからこそできる支援とは何か?」を考えました。
――具体的に、どのような支援をされたのですか?
僕たちは「野外教育を活かした被災地支援」を行いました。
被災地の子どもたちは、学校も復旧作業に追われ、家庭でも親が忙しく、遊ぶ時間がほとんどありません。そこで、僕たちが「スカウトならではの遊びの場=サードプレイス」を提供しようと考えたんです。
例えば、ロープワークやクラフト、キャンプファイヤーのようなアクティビティを実施しました。子どもたちが笑顔になって、「また遊びたい!」と言ってくれたとき、スカウティングの力を改めて感じましたね。
――このプロジェクトを実現するにあたり、苦労した点はありますか?
最大の課題は「資金調達」でした。僕たちは大学生なので自前で資金醸成できないゆえに、助成金を申請し、活動資金を確保する必要がありました。初めての試みだったので、申請書の作成や予算管理に苦労しましたね。
また、地元の団体との連携も課題でした。スカウト単独ではなく、地域と協働してより良い支援を提供するために、行政や他のNPOとの調整を進めました。 次回以降はさらにマーケティングや広報を強化し、多くの方に支援を届けられるようにしたいと考えています。
――スカウティングが持つ「社会貢献の可能性」について、どう思いますか?
スカウティングは、「人(よき社会人)を育てる」教育運動という側面のみならず、社会に直接貢献できる活動もできるという強みを持ちます。特に「災害支援」や「環境保全」の分野では、スカウトが持ち合わせるスキルが大いに関連しています。
また、「世界平和」の分野でいうと、スカウティングでは、世界中に仲間がいます。生まれに、言語や文化、宗教や年齢が違っても、スカウト精神を共有しているので友達になれる。 これは他の活動ではなかなか得られない経験ですね。それを契機に真剣に「世界平和」を考える ようになり、足元から行動を始める ことにつながる。真剣に、重みを持って平和とは何かを考えるきっかけになります。
そして、「地域活性化」の分野では、ボーイスカウトというのは世界中にはもちろんですが、国内にも北から南まで広が っています。各地で地域に根ざした青少年とそれを支える多様な大人たちにさらにはそれを見守る地域の方々。これらの 「ひと」が繋がっていくことが「まち」には大変に重要であります。
まとめますと、「地域社会」に「国際社会」にダイレクトに貢献をし、さらには貢献できるスカウトが育っていくものが スカウティングをだと思っております。
――最後に、みなさんへメッセージをお願いします。
私が願うことはただ一つであります。より良き社会が創られることであります。「隣に居る人と笑い合い希望を語らいなが ら、旭を眺められる」と私が定義したい良き社会の創造、そのためには「夢を持とうと思える環境」「現代の世界に広がる“格差”に振り回されない環境(資本主義が生じさせた“格差”(ひずみ)の資本主義を使った是正)」「この世界に蔓延る危機をも好機と してより良き社会への転機としていくためにも若人が自己実現を成せる環境」が必要だと思っております。
先ず、この三つの環境を整えていくことが私の壮大な夢になるわけですが、この夢を持てたのも、ここに向かって頑張ろうと 思えるスキル・ナレッジ・マインドを育めたのもこの 10 年間のボーイスカウトでの経験があったからでした。この難しいながらにも、やりがいのある夢に向かって生きている日々は充実しているし「幸せ」であります。人によって価値観は違いますが その違う「幸せ」を、「幸せな人生の送り方」を見つけられることはなかなかに難しいものだと思いますが、不肖二十歳にして見つけられました。そんな自分の生きる路を拓いている人達が、ボーイスカウトをやっている人には周りにも多く見受けられます。
つまり、その三つの環境が整っていると言っても過言ではないのではないでしょうか。
ボーイスカウトは、「より良き社会を創るために、社会を構成している「ひと」を育てる活動」 です。
スカウト活動を通じて、「人を思いやる心」「挑戦する力」「社会と関わる意識」が育ちます。「自分で発見することでしかわからない学び」と「自分に大いに影響を与えてくれる大先輩や自分を支えてくれる先輩、何時間でも語り合える友」と「自分の財産となる経験」に巡り逢えます。僕自身は、スカウティングを通じて多くのことを学び、多くの人に出逢い、多くのことを経験して、これらの「体験」をしてきたからこそ今の自分があります。
それらの「体験」に恵まれるチャンスに格差があって欲しくないと切に思っております。
願わくは、フォーマル教育と相互作用して、ノンフォーマル教育、突き詰めればこの「体験」が“皆”に等しく届くことであ ります。今回はその中の特にひとり親のご家族へということですが、一緒に活動していける仲間が増えていったらいいなと思いますので、皆様のご支援のほどよろしくお願い申し上げたい次第であります。
私自身は皆様のおかげで一緒に活動出来るようにな った「未来スカウト」のちょっとだけ先を生きる輩として一緒に「スカウティング」をする、彼らの「体」を支える準備 をしておくことにします。
*ノンフォーマル教育: 学校教育(フォーマル教育)とは異なり、決まったカリキュラムや評価制度に縛られず、個人の成長や社会参加を目的とした学びの場 を指します。ボーイスカウト活動はその代表例であり、リーダーシップ、問題解決力、社会貢献の精神 を実践的に学ぶ機会を提供します。災害支援や国際交流を通じ、主体的に学び、経験を積むことができるため、子どもたちの生きる力や社会的スキル を育む重要な役割を果たしています。
このクラウドファンディングは、「未来のスカウト」を育てるためのプロジェクトです。1人でも多くの子どもがスカウティングを体験し、成長する機会を得られるよう、ぜひご支援をお願いいたします!
▶ アーカイブ
本件についてのお問い合わせ
日本連盟事務局 募金担当 bokin@scout.or.jp