2.さまざまな性のあり方 前項では、LGBTについて紹介しましたが、セクシュアリティは LGBTとそうではない人でくっきりと分かれているわけではなく、さらにさまざまな性のあり方が存在します。 Xジェンダー(「心の性」が男女どちらかに規定できない/しない人)やAセクシュアル(無性愛者:性的指向をもたない人)、ノンセクシュアル(非性愛者:恋愛感情をもっても性的欲求を抱かない人)、パンセクシュアル(性的指向が性別にとらわれない人)のほか、インターセックス(性分化疾患:解剖学的、遺伝子的な性の発達が先天的に非定型的な状態の人)や、異性の服装を好んで着用するトランスヴェスタイト/クロスドレッサーという人たちもいます。 いずれのアイデンティティも、分類することが大事なのではなく、その多様性が認められ、あらゆるアイデンティティの人が生きやすい社会になることが大切です。
3. LGBTへの取り組み LGBT当事者の中には、性的指向や性自認をカミングアウト※1することによいつわって、「自分を 偽 ることなく生きたい」と思っている人が数多くいます。一方で、「カミングアウトをすると、これまでの人間関係が崩壊してしまうのではないだろうか」「友人、学校、職場等から否定的な反応がかえってくるのではないだろうか」と悩んで、カミングアウトできない人たちもいるのです。カミングアウトは、自分のセクシュアリティを受け入れ、肯定する過程でもあり、自分らしく生きていくための手段のひとつです。 性は多様で個人の尊厳に関わる重要な問題といわれています。今日では、あらゆる人々に配慮し、以下のようなさまざまな対応がなされるようになりました。
4.スカウト活動での取り組み 世界スカウト機構(WOSM)では、「第24回世界スカウトジャンボリーで、若者と大人を危険から守ります……スカウティングは、男性と女性のメンバー、異性愛者、ゲイの男性、レズビアンの女性、バイセクシュアル、トランスジェンダーの人々を歓迎します」との告知を行っており、LGBT問題を広く受け入れています。※2 今後、日本連盟でもどのような取り組みを行うのかが研究課題となっています。 </hr />
「セーフ・フロム・ハーム」・安全委員会
※1 カミングアウトとは、Coming out=“coming out of the closet” のこと。「クローゼットに押し込まれている状態」から出て、陽のあたる場所に自分を置く決意のことです。 ※2 24WSJ の SfH のページより抜粋 https://www.2019wsj.org/about/safe-from-harm/ボーイスカウト日本連盟機関誌「SCOUTING」2020年1月号より