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スカウティングとSDGs — 一緒に考えよう! 持続可能な社会のために — 持続可能な開発目標(SDGs)は、「leave no one behind(地球上の誰一人として取り残さないこと)」を目指し、先進国と途上国が一丸となって達成すべき17の目標と具体的な取り組みである169のターゲットによって構成されています。今号では、1年間に地球が生産する再生可能な資源の量を、私たちが生活するうえで使用する資源の量が上回ってしまう「アース・オーバーシュート・デー」から、目標12「つくる責任 つかう責任」について考えます。使える資源が底をつくとき、あなたは何ができますか。 個別の目標から考えよう 目標12 「つくる責任 つかう責任」 より少ない資源で良質かつ大量のものを得られるような生産と消費の形態が求められており、持続可能な生産と消費の形を作っていくことを目指しています。しかし、日本においても、多くの食品を廃棄するなど資源の浪費が深刻な問題となっています。

アース・オーバーシュート・デー 人間が消費する資源の量が、地球が1年に再生産できる資源の量を上回る日を「アース・オーバーシュート・デー」と呼びます。もし使いたいだけ資源を利用して生活したら、地球がいくつ必要になると思いますか。2020年のオーバーシュート・デーは8月22日でした。これは、1年分の資源を8月中に使い切ってしまったということです。この時点で、2020年は資源が地球1.6個分必要だと判明しました。残りの4か月は、未来のために残しておくべき地球の資源0.6個分を切り崩したことになります。 私たちが便利で豊かに生活できている裏側で、かけがえのない地球の資源を消費しているという事実を知らなくてはなりません。 エコロジカル・フットプリント 私たちが社会環境にどれほど依存しているかを分かりやすく知るための「エコロジカル・フットプリント」という指標があります。これにより、食べ物や住まい、エネルギー消費や商品購入、移動手段などにより、地球何個分の資源を消費しているのかを理解することができます。資源の消費を抑えて生活するためにはどのような行動が必要か考え、隊の仲間や家族とアイデアを共有することも大切です。私たちの未来のために、自分ができる行動を考えてみましょう。 参考 WWFジャパン「あなたの街の暮らしは地球何個分?」(2019.7.26) https://www.wwf.or.jp/activities/activity/4033.html

岡山・倉敷第14団(スカウトの日)

 
自分でできるフットプリントチェック 家や学校、スカウト活動などの生活の中で、無駄使いしているもの(こと)がないか考えてみましょう。 持続可能な社会を実現し、地球を未来に残すためにできることを組や班でまとめて、隊の中で発表してみましょう。 みんなの発表を聞いて、気づいたことや感じたことを自分ができる行動として紙に書いて、みんなが見えるところに張っておきましょう。 ※家庭で実施する場合は、組や班、隊の部分を家族に読み替えてみましょう。
  関連するチャレンジ章に挑戦しよう 市民:細目(2)にある、良い市民になるためのいくつかの心がまえの中で、環境について配慮できることを説明する。

自然保護:細目(1)に関連付けて、絶滅しそうな動植物について、それらを救う方法について環境の観点を含めて調べる。

関連する技能章に挑戦しよう 公民章:細目(2)地球環境問題について1 つ取り上げ、自分には何ができるか説明する。

環境保護章:細目(6)に関連付けて、「持続可能な開発」について、国際的な取り組み・日本としての取り組みについて調べ報告する。

 
スカウティングとSDGsでは、個別の目標からさまざまな取り組みを紹介してきました。2021年度は、日本連盟としても取り組みを開始する世界共通の環境教育プログラム「Earth Tribe(アース・トライブ)」とSDGsをテーマに、引き続き私たちにできることを考えていきましょう。

ボーイスカウト日本連盟機関誌「SCOUTING」2021年3月号より

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