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スカウティングとSDGs — 一緒に考えよう! 持続可能な社会のために — 持続可能な開発目標(SDGs)は、「leave no one behind(地球上の誰一人として取り残さないこと)」を目指し、先進国と途上国が一丸となって達成すべき17の目標と具体的な取り組みである169のターゲットで構成されています。今号では、世界スカウト機構(WOSM)が新たに開発した環境教育プログラム「Earth Tribe」から2つの目標についてご紹介します。
新環境教育プログラム Earth Tribe(アーストライブ)WOSMは、世界共通プログラムの開発、実施、評価を行い、約10年のサイクルでプログラムの見直しを行っています。今回新しく開発された「Earth Tribe」では、取り組みに対して関連するSDGsの達成目標が明確に示されているのが特徴です。日本でも2012年から導入している世界スカウト環境バッジですが、「環境保護」のほかに「再生エネルギー」「プラスチック汚染」という2つの要素を加えて、より広く環境について考え、行動することにつながるプログラムへとリニューアルされました。

現在、プログラムの導入に向けた翻訳作業や関連団体とのプログラムの協働のほか、進級課目やチャレンジ章、技能章などの選択課目との読み替えの準備を進めており、今後、スカウトの地域環境や興味関心に応じて取り組む内容を選択して行動するきっかけになるプログラムを提供していく予定です。

11月号本誌で紹介したリンク先ページ、準備中です。

個別の目標から考えよう 目標06 「安全な水とトイレを世界中に」 日本では水が豊富ですが、水道の蛇口をひねっておいしい水を飲むことができる国は世界にそれほど多くはありません。国連のレポート(2015年)によると、当時の世界人口73億人のうち約9%にあたる6.6億人が安全な飲み水を確保できない状況にあるとされています。地球には、水に関連する生態系(山地、森林、湿地、河川、帯水層、湖沼など)が多くあり、これらの保護や回復を行うと同時に、共存していくことが求められます。すべての人が下水やゴミ処理などの衛生設備が整った環境で暮らせること、水の再利用に取り組むことで安全な水や衛生環境の確保や管理をすることが目標です。 目標07 「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」 日本のエネルギー自給率は9.6%(2018年)で世界34位と、その水準は決して高くありません。地熱、風力、太陽光などを使った再生エネルギーの活用も進んでいますが、安定して利用するには企業や個々の家庭が利用しやすい環境を整える必要があります。従来のエネルギーのもとである化石燃料が生活を快適にする一方で、燃焼することで発生する二酸化炭素(CO2)は地球温暖化の要因になります。便利な社会に欠かすことができないエネルギーを確保するとき、どのように環境に配慮したらよいのか、自分たちに何ができるのかを考え、行動していくことが求められています。 私たちの生活を便利にするものについて、何がどれだけ欠かせないか、別のものに置き換えることはできないか、置き換えることでどのように地球環境への影響を減らすことができるのかなどを考えてみましょう。 ペットボトル、レジ袋、食品用ラップフィルム、電気、ガス など ここで大切なことは、単純に「使わない」という選択肢を選ばないことです。生活を便利にするものを一概に使わなくするのではなく、「代わりに使えるものはないか、こうしたら解決できるのではないか」ということを考えることがポイントです。 関連するチャレンジ章に挑戦しよう 自然保護:細目(3-①)に関連付けて、自分たちの地域 のゴミ拾いや環境美化活動を行う。 自然保護:細目(3-③)の自然環境調査に参加するか、 自分で人に聞いたり、調べてみる。 関連する技能章に挑戦しよう 環境保護:細目(2)に関連付けて、大気・水・土壌についての汚染問題について調べる。 環境保護:細目(4)に関連付けて、地球環境に影響を与える有害物質を減らす対策を提案する。

ボーイスカウト日本連盟機関誌「SCOUTING」2020年11月号より

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