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■ 野外活動のための安心・安全講座

アレルギーの話

1. アレルギーって?

私たちの体には、細菌やウイルス、花粉やほこりなどの異物(抗原)から身を守る「免疫」という仕組みが備わっています。外部から体内に侵入しようとする抗原を撃退する仕組みで、抗原が体内に入るとそれに対抗する物質(抗体)が作られ、抗原を排除しようとします。

ところが、再度、抗原が体内に侵入しようしたときに、この免疫機能が過剰に働くと、体にとって都合の悪い、アレルギー症状が出てしまいます。アレルギーを引き起こす抗原(アレルゲン)には、細菌やウイルス、食物以外にも、花粉やほこり(ハウスダスト)などがあり、生活環境やライフサイクルによる影響もありますが、遺伝的な体質に関わっているともいわれています。

アレルゲンによって引き起こされる症状として、じんましん、湿疹、皮膚炎、喘息、鼻水、涙目、眼のまわりのかゆみ、頭痛、発熱などがあります。アレルギー症状で最も多いのが皮膚症状です。呼吸器症状、粘膜症状、消化器症状などの症状も、同時または別々に出現することがあります。

 

2. アレルギーを起こす人って?

遺伝的にアレルギー体質をもっている人といわれていますが、それ以外では、食生活の変化が大きく影響を与えています。主にインスタント食品やスナック菓子などの影響があり、次に、自律神経を乱す睡眠不足や不規則な生活、ストレスなどが原因といわれています。

 

3. アレルギー症状を軽くするために

規則正しい食生活を心がけましょう。暴飲暴食は避け、お酒や甘いものは控えめにしましょう。普段から栄養バランスの良い食事を心がけ、体に優しい野菜や緑茶をとるようにしましょう。そして、何よりも、アレルゲンを避けることが大切です。アレルギー性鼻炎であれば、マスクなどをして花粉やハウスダスト、ほこりを近づけないこと。食物アレルギーであれば、アレルゲンとなる食品をとらないことです。食品については、表示が義務づけられているので、必ず確認しましょう。

 

4. 予防対策

野外活動において安全を考えるうえで、次のことに注意しましょう。

  1. 入隊時や活動前など、事前に活動参加者の健康調査を実施し、アレルギーの有無を確認しておくこと。
    特に、食物アレルギーについては、アレルゲンの食材を特定しておくこと。
  2. 食物アレルギーの該当者がいる場合は、安全対策計画書の中で、献立や食材をチェックしておくこと。
    また、代用食材(献立)を準備しておくこと。
  3. 自分たちで調理しない場合は、事前に、調理する人に食物アレルギーがあることを連絡しておくこと。
  4. 野外では、マスクをするなどして、体内にアレルゲンを侵入させないようにすること。

 

「セーフ・フロム・ハーム」・安全委員会
参考文献:大阪連盟『 新・野外活動の安全Q&A』

 

加工食品に含まれるアレルギー表示対象品目
(消費者庁『アレルギー物質を含む食品に関する表示指導要領』参照) 表示が義務づけられている7品目




小麦

えび

かに

そば

落花生

表示が奨励されている21品目


アーモンド

あわび

いか

いくら

オレンジ

カシューナッツ

キウイフルーツ

牛肉

くるみ

ごま

さけ

さば

大豆

鶏肉

バナナ

豚肉

まつたけ

もも

やまいも

りんご

ゼラチン

※表示義務は、箱や袋で包装されている加工食品や缶詰めやビン詰めなどのみのため、デパートやスーパーの量り売りの惣菜、その場で包装するパンやケーキ、コンビニエンスストアの店内で調理されるおでん、飲食店のメニューなどは対象外です。アレルゲンが材料に含まれていないか、その都度、確認が必要です。

 

ボーイスカウト日本連盟機関誌「SCOUTING」2020年3月号より

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